- 岩崎嘉秋
- 文春文庫
- 古本
フィリピンから帰国して成田からの帰り道。疲労と発熱で朦朧としながら運転してたら、縁石に乗り上げて左サイドシルを思いっきり凹ませてしまった。俺の可愛いタントが……。
んで。元陸攻乗りで戦後は海自と民間でヘリパイやってた人の自伝。サービス精神がとても旺盛な方のようで、どのエピソードも面白かった。いや、面白すぎた。盛ってるなぁって思えちゃって興が醒めることも。戦前の話をここまで鮮明に記憶しているとしたら恐いよ。歳のせいで記憶回路が正常動作しなくなることもあるから本人に盛ってる意識はないのかもだけど、少しだけ自己顕示欲を抑えてほしかった。要所で当時の写真を載せてた点は高評価。
そういや所沢車両工場内のヘリポートの話が出てきて、嘘だと思ってググったら実在した。なぜなくした。
- 百田尚樹
- 講談社文庫
- 貰い物
長らく使ってた無駄にデカい電話機がいよいよ邪魔なので、思い切って煩悩を捨て去った電話機に変えてみたら最高や! FAXも子機も留守電も液晶画面も最初からいらんかったんや!
んで。死にたくねぇよ~と逃げ回ったけど最後は特攻で散華したお祖父ちゃんのことを調べる話。真っ先に感じたのは、滝沢聖峰の「新太平洋戦記」っぽさ。それ以外もどこかで読んだことがあるようなエピソードが続いて、そこはかとない切り貼り感。終盤はけっこう盛り上がってラストはきれいにまとまったけど、ネタの出所が気になって集中しづらいんだよ。その都度ネタ元を注釈で入れてくれてたらモヤモヤしないで済むんだけどなぁ。
たしかに面白い。面白いんだけど、何百万部も売れるほどのものかと言われると、うーん。
- 吉村昭
- 文春文庫
- 古本
フィリピン里帰りは来月に決定。バニラエアのセブ便がなくなったから今回はセブパシなのだ。チケットは高くなったけど、第3ターミナルまで行かずに済むと考えるよかった探し。
んで。久しぶりの吉村昭は丹那トンネル掘削記。世の中でトンネルと言ったら吉村昭、吉村昭と言ったらトンネル、というイメージが定着しているくらい親和性の高い題材なわけで安定感は申し分なし。主な見せ場は前半が崩落、後半が渇水。底に穴を掘ったら上の水が抜けてくるのはわけるけど、土地が干上がるなんて素敵に大規模。トンネルに落ちてきた大量の水がどこに流れたのか文章だけではイメージできなかったけど、なんかスゴいわ。
でも、正直なところ臨場感は『高熱隧道』のほうが上だったな。丹那はズリ出しが足らねぇ。
そんなこんなで読みたい本を読める幸せを久々に味わった年だったにも関わらず冊数が伸びてないけどしょうがない。諦めて読んダラ日記の16年目を振り返ってみる。
・書籍:40冊
・漫画:『ベルセルク』また出た!
心ゆくまで読書できる時間を確保できていない状況は継続中なれど、面白い本のエンカウント率が意外に高かったからヨシ!
2019年もダラリと読むんだぜ。んではまた来年。
- 清水保俊
- 講談社文庫
- 古本
年も押し迫ってそれなりに忙しい時期なのに倦怠感など風邪の諸症状できつい。そういえば数日前、妻がグッタリしてた気がする。感染源はそこだな。間違いなくそこだな。殺意が。
んで。JALでFEやってた人が123便になにが起こっていたのか考えてみた話。シミュレーション小説仕立ての中にちょいちょい考察をぶち込んでくるスタイルで、新たな証拠が出てこない限りこれが決定版でいいんじゃないか、と思えるくらい矛盾がなくて気持ちよく納得した。小説パートのほうは半分過ぎ、酸素マスクかけたほうがいい、の後から実際の123便とは違う世界線に分岐しての生還エンド。これはこれで手に汗握る面白さだった。
この小説みたいに123便が生きて帰ってくる道があった可能性も……いや、ないな。
- 柳田邦男
- 新潮文庫
- 古本
微妙に貯まるけど使い道がなくて見もしないエロ動画を買い続けてたDMMポイントで「艦これ」をやってみようと思い立った。適当に選んだ初期艦の五月雨が可愛すぎて幸せな気分。
んで。事故・災害の原因究明と防止対策の在り方に死角があるからどうにかしなきゃダメなのよという話。雑誌とか新聞に寄稿した短いレポートというかエッセイというか、そういう類のものの寄せ集めだから全体的なまとまりを欠いていて読み応えが皆無なのと、どのケースでも結局は“安全対策について考える必要がある”という、なんともふんわりした具体性のない結論を繰り返すだけになっちゃってるから退屈で面白くもなんともない。
この手の廃品記事リサイクル本は面白かった例しがない。1冊にする必要なし。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
そろそろ義妹の帰国を考えなきゃ、とバニラエアをチェックしたらセブ便が消えてた。フィリピン出国審査用に取った捨てチケットが最終便だった様子。バニラ安かったからショックだ。
んで。国立がんセンターによるガン撲滅物語の続編の後編。お医者様たちが頑張ってガンに関する新しい知見が続々と得られたんだけど、メカ開発が電子内視鏡くらいしか出てこなかったのが残念だった。化学とか生物学の研究も結構だが、なによりも重要なのは物理に決まってるだろメカ作れ。それといつの間にかガン“制圧”という言い方が使われるようになっていたけど、個人的には“撲滅”にしてほしい。撲って滅ぼす。力こそパワー。
ここまで来たら平成以降のガン回廊も書いてほしい。ガン撲滅するまで続けるべき。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
たまには肝臓を労ってやろうと決心して、試しにノンアルビールを導入してみた。これがけっこう飲んだ気になるもんで焼酎量を半減させることに成功した。しばらく続けてみる。
んで。国立がんセンターによるガン撲滅物語の続編。前作では達成できなかったけど、そこから時代が進んでるので今度こそガン撲滅に成功して感動させてくれるはず。引き続き国立がんセンターが舞台なんだけど、やっぱり面白いのはアロカの超音波診断装置とか富士フイルムのCRといったメカ開発のサイドストーリーという。ターミナルケアの話も出てきたけどメカじゃないから興味ナシ。そういうの要らん。メカを制するものガンを制す。
なお、今作はタイトルにルビ振ってなかったので“炎”は“ほのお”でよさそう。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
ずっと見て見ぬふりをしてきた楽天銀行のマネーブリッジをついに設定した。予想通り面倒だったけど、優遇金利のことだけ考えて乗り越えた。これで年に数千円をゲットだぜ。
んで。ガン撲滅梁山泊は下巻もアツいエピソードが盛りだくさん。久留が亡くなり、後任の塚本憲甫も亡くなり、その他の医師も面子を変えながら、町田製作所の気管支ファイバースコープで肺ガン治療が進展したり。そんなこんなでセンター開設から16年後の昭和53年時点で話は終わり。国内屈指の俊才たちが集結したんだから、そりゃもうガンなんて撲滅されたパーフェクトエンド。と思いきや、撲滅されてないじゃないすか! やだーー!
そういやタイトルが“朝”と書いて“あした”だった。そうは読まんやろ。
- 柳田邦男
- 講談社文庫
- 古本
安米トライアルでコストコの加州米「カルローズ」に挑戦。加州米なんて25年ぶりだけど、変わらずやっぱり普通に美味い。西友の豪州米より全然ジャポニカだし、これ悪くないぞ。
んで。設立されたばかりの国立がんセンターに集いし精鋭たちがガンと闘う話。ガンを愛しガンに愛された男・久留院長が学閥廃止、能力第一主義を掲げて全国から選りすぐりのガン絶対殺すマンたちを引き抜いてくるところからして梁山泊感がすごい。千葉大から来た市川(と師匠の白壁)のX線二重造影法とか日本医科大出身の坪井が開発した肺の末梢病巣擦過法なんかのサイドストーリーもアツい。むしろそっちが本編とも言える。
この調子なら勝ったも同然。下巻でガンを撲滅しちゃう可能性、あるね。