- 鳴海章
- C★NOVELS
- 貰い物
大晦日だというのに鳴海章。3巻組なのでほぼ年越し決定。年末の大掃除さえなければ手にすることもなかったろうに。
んで。ひどい。原子力空母がトントン拍子で日本のものになって海自が4000人くらい乗せてすぐ動いた。4000人も抜けたら他の艦は人手不足で動かなくなるよなぁ。艦載機が空自のファントムというのも無理だ。細かい設定も無茶苦茶。アメリカに内緒で改造した妄想攻撃機「ファイティングハリアー」のノズル角制御レバーは、乗るたびに動作方向が変わる。怖い改造したもんだ。
鳴海章だからこんなもんだろうけど、それにしてもひどい。まだ中下巻が残ってると思うと鬱。

- ニュートンプレス
- 月刊誌
このところ腑抜けた特集続きの『ニュートン』だったけど今回は久々に良かった。
んで。特集「ゼロは宇宙を生んだ」は数字のゼロについて。インド生まれの「0」はいろんな意味を持っていた。ゼロと無限の表裏一体感なんかはいい感じ。真空は密度ゼロかと思いきや実は粒子と反粒子が対生成と対消滅を繰り返してるとか、宇宙は大きさゼロから始まったとか、なんかスゴい。
「実験室で進化をつくる」もよかった。構成的アプローチにより人工生命で進化のルールを探るという少々トンデモな研究。既に大腸菌と細胞性粘菌のような人工共生系は出来てて、次は分裂可能な人工細胞を作るとか。おお、神への挑戦。突っ走ってほしい。

- 文林堂
- 月刊誌
中途半端な時間に文庫を読み終わってしまったのでなんとなく飛行機雑誌を読んでみた。
んで。特集は「サイドワインダー」。ついでにXAAM-5についても触れてるようなことが書いてあったから期待したんだけど裏切られた。サイドワインダーについてはAIM-9Xの概略を紹介しているだけ。XAAM-5なんてほとんど情報ナシ。この程度で特集と言われても困る。
いつものことだが他に読めるページは見当たらないので、金をドブに捨ててしまった気分。鬱。
- 筒井康隆
- 新潮文庫
- 新本
ちょっと久しぶりの筒井は谷崎潤一郎賞受賞作品。あまり期待せずに読んでみた。
んで。多重虚構というヤツ? 虚構の中の虚構で話が進んで、さらにその中の虚構世界に入り込んで……みたいな感じに虚構の段階が刻々と変わる。サイコドラマとか深層心理とか夢がキーワードになってたりして、まさに俺の嫌いな方面の筒井。
わけわからん。
- 佐々淳行
- 文春文庫
- 古本
先日テレビで『突入せよ!あさま山荘事件』を観たら面白かったので、たまたま買ってた「あさま山荘」物を読んでみた。
んで。巻頭に載っていた当時の写真、キャプションに「左が著者」の文字。現地にいた人が書いたなら期待できそうだと思って著者名を確認したら「佐々淳行」とあった。映画の主役もサッサだったような。あ、これが原作か。
なんか連合赤軍アツい。人質取って立てこもって銃撃戦。スゴい劇場型テロ。機動隊が丸腰というのも悲壮感。内田隊長殉職の場面が俺的クライマックスだった。盛り上がってる最中にちょくちょく挟まる佐々のウザい自慢話がなければ満点に近い。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
やっと読み終わった。心の底からつまらなかった。
んで。最初から最後まで『さむらい劇場』のコピペが基本だった。違いは主人公がエロ漫画に目覚めちゃったところくらい。もっとも、それにしたって他で使ってるネタの流用だけどな。特定の表現が集中的に出現することなども合わせて、とにかくラクをしたかったことが見え見え。所詮は三文小説家だからしょうがないのかもしれないが、よくこんな原稿でOKしたな週刊新潮編集部。
あ、でもちょっと見方を変えれば池波作品の集大成と言えるかも。コピペ小説という意味で。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
やっとの思いで中巻撃墜。心底ツラいぞ。
んで。時代が変わって吉宗登場。主人公の徳山五兵衛は鷹狩りで弁当食ってる将軍を発見。もちろん即座に殴り倒した。その他諸々、要するに今回も『さむらい劇場』をコピペして無駄な文章で水増ししただけ。まともな作家のやることじゃないわな。
しかし横着もこの域まで達すれば芸と呼べるかも……呼べねぇよ。
- 池波正太郎
- 新潮文庫
- 手持ち
分厚い文庫3冊組。全然面白くないがスラスラ読める。ツッコミ所満載。
んで。時は元禄、将軍は綱吉公なので時代背景の説明はいつものコピペ。主人公は旗本の妾腹の子で、謎の親娘を助けた縁で謎の集団と知り合った。という展開も小ネタも『さむらい劇場』と全く同じなので基本コピペ。違いは話に関係のない無駄な文章の量だけ。接続詞が間違いだらけで日本語になってないのがツラい。
まだ中下巻が残っているけど、きっと最後まで『さむらい劇場』と同じなんだろうな。
- 藤沢周平
- 文春文庫
- 借り物
弟が買ってきたので借りてみた。そういえば最近本屋で平積みになってると思ったらNHKか。
んで。舞台はもちろん海坂藩。文四郎少年が政権争いに巻き込まれたり剣の道に走ったり淡い恋をしたり友情に燃えたりする成長期をしっとりと。やはり時代物は藤沢周平に限る。安心して読めた。
完成されすぎで書くことないよ。
- 貴志祐介
- 角川文庫
- 貰い物
これも母親がどっかで貰ってきた。春に映画化されたらしい。聞いたことないが。
んで。主人公の男子高校生が義父殺しの完全犯罪を目指す物語。まず犯罪ありきなので倒叙型というヤツか。2人殺して結局バレた。だんだんと追いつめられていく主人公には感情移入の余地あり。美少女の同級生に好かれちゃったり可愛い妹と仲良しだったりで萌え要素もある程度豊富。ただし妹とは血がつながってないので減点。
映画になるくらいだから普通に読めた。でも微妙に物足りない。なにかが足りない。








